
すぐ死ぬんだから (講談社文庫)
内館牧子
講談社 / 2021-08-12
この本について
年齢を重ねると、「これってもう無理してるだけなんじゃないか」とか、「好きに生きるって言ってもどこまで許されるんだろう」とか、誰にも言えないモヤモヤが増えていきます。周りは前向きな言葉を投げてくるけれど、こっちはそんなに軽く切り替えられない。そんな時に、この『すぐ死ぬんだから』の言葉が妙に落ち着くんです。 この本が効くのは、きれいごとじゃなく「衰えていく現実」と向き合った登場人物が、開き直りではなく“自分のままでいるための工夫”をしているところです。たとえば、外見にこだわる主人公が、老化を笑われてもなお自分の装いを選び続ける姿や、「嫌いなことはしなくていい年齢になった」と気づく瞬間。あるいは、突然誰かを失った時の、残された側のやりきれなさを丁寧に拾い上げる場面。読みながら、自分の中の“無理してた部分”が少しずつほぐれていく感覚がありました。 特に刺さるのは、「年齢相応」という言葉への違和感を持っている人だと思います。ちゃんと衰えることと、ただ老け込むことは違う。そこをどう自分で選ぶかを考えさせられるし、誰かに正しさを求めずに、自分の速度で生きてもいいんだと素直に思える本です。 人生の「次のページ」をどんな顔でめくればいいか迷っている人に、静かに届く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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