
老害の人
内館牧子
講談社 / 2025-04-15
この本について
年齢を重ねた人との距離感って、正解が分からないまま気まずさだけが積もっていくことがあります。昔話が止まらなかったり、何でも自分の話に持っていかれたり、好意で渡されたモノの扱いに困ったり。こちらも相手も悪気がないからこそ、割り切れないモヤモヤが残るんですよね。 内館牧子さんの『老害の人』は、そのモヤモヤを一度“観察”として受け取る視点をくれます。例えば、年を取るほど自分をアピールしたがるのは、もう自分の世ではないと気づいているからかもしれない、という指摘。これだけで、ただの迷惑行動に見えていたものが、少しだけ違う輪郭を帯びます。また、素人作品に感想を言わされ講釈までされる場面のように、「相手は善意だけど、こちらの負担は確かにある」というズレも、言語化されると気持ちが軽くなる。さらに、誰もが自分のパートだけに夢中で、相手の音はほとんど聞いていない、という比喩は、人付き合いに必要以上の理想を背負いすぎていた自分に気づかされます。 この本は「こう生きろ」と背中を押してくるタイプではなく、絡まった糸を一緒にほぐしてくれる感じです。身近な人の老いに戸惑いながら、自分も同じ道を歩いていくことをうっすら意識し始めた人に、静かに効くと思います。こんな人に刺さる一冊です。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの44%が集中しています。
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