
老いの整理学 (扶桑社BOOKS文庫)
外山 滋比古
扶桑社 / 2014-10-31
この本について
年齢を重ねるほど、ちょっとした不安や、人との距離感の変化に戸惑うことが増える気がします。昔より疲れやすいとか、なんとなく気力が続かないとか、誰にでもあるはずなのに、うまく言葉にできないまま放ってしまう。そんなときに『老いの整理学』を読んで、ああ、こういう視点で見ればいいのかと少し呼吸が軽くなりました。 この本が面白いのは、「がんばり方」を教えてくるのではなく、老いの中にある小さな引っかかりを一つずつ、生活の場面でほぐしてくれるところです。たとえば、五体の散歩の話。散歩しろと言うのではなく、料理の包丁さばきまで「手の散歩」と捉える発想が、日常にそっと楽しみを足してくれる。あるいは、忘れることを前向きに扱う姿勢。頭がいっぱいなら捨てればいい、そうすればまた新しいことが入ってくるという考え方は、年齢関係なく救われます。そして、人間関係を無理に維持しようとせず、新しい仲間をつくる面倒くささごと肯定しているところも、妙に現実的で安心します。 誰かにとっての正しさではなく、自分のペースで暮らしていくためのヒントが静かに置かれている本です。最近、「昔のように気力が湧かない」とか、「小さなことで落ち込む回数が増えた」と感じる人には、とくにしっくりくると思います。年を取る不安そのものをなくすというより、うまく付き合う姿勢をそっと教えてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
読書の順序
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