
死すべき定め――死にゆく人に何ができるか
アトゥール・ガワンデ and 原井宏明
この本について
年齢を重ねるほど、「この先、自分はどんなふうに弱っていくんだろう」「家族に迷惑をかけたくないけど、実際どうなるんだろう」といった漠然とした不安がじわっと増えていく感覚があります。仕事のことは計画できても、老いと死だけはコントロールできないまま手前に迫ってくるようで、見て見ぬふりをしがちです。 この本は、その不安を雑に慰めるわけでも、逆に希望を奪うわけでもありません。むしろ、老いと死のプロセスで何が起きるのかを、医療の現場から具体的に見せてくれます。たとえば、身体がどの順番で弱っていくのか、医療がどこまで助けられてどこからは助けられないのか、そして「水平線が縮む」瞬間に人が何を大切にし始めるのか。その流れがわかるだけで、自分の選び方が少しだけ現実に根づく感覚がありました。 読んでいると、誰かを支える側に立つときも、自分が支えられる側に回るときも、何を優先したいかが見えてきます。延命か、生活の質か、そもそもその人は何を望んでいるのか。正解はないけれど、向き合い方の軸が一本通るような本です。 「老いと死を先送りにするだけじゃ物足りない」と感じ始めている人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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