
教育委員会-何が問題か (岩波新書)
新藤 宗幸
岩波書店 / 2013-11-20
この本について
学校のニュースを見るたびに、「教育委員会って実際なにをしていて、誰が責任を持っているんだろう」と、うっすらしたモヤモヤが残ることがあります。現場の先生の大変さは伝わってくるのに、制度の輪郭だけがずっとつかめないまま。自分の子ども時代を思い返しても、教育行政との距離はどこか遠いままです。 この本は、その曖昧さをごまかさず、制度の歴史と実態を淡々と見せてくれます。たとえば「首長と教育委員会の権限をもっと弾力化すべきでは」という議論が、単なる理想論ではなく自治体の判断次第で大きく変わる現実の話として描かれている点。あるいは、政治的中立性を守るために教育委員会が必須とされてきたけれど、実際には首長のほうが地域住民の意向を反映しやすいという指摘。読んでいると、自分がなんとなく感じていた「責任の所在のぼやけ」に名前がついていく感覚がありました。 もう一つ印象的なのは、「子どもたち=市民の手に教育を取り戻す」という視点です。制度の仕組みを変える話に見えて、その奥には、子どもがどう学校で過ごすかという、とても具体的な生活の問題がある。構造の話と日常が地続きなんだと気づかされます。 教育の議論に興味はあるけれど、どこから考えればいいか分からない人に刺さる一冊です。制度の細部よりも、「そもそも教育行政って何を守ろうとしているのか」を知りたい人にとって、足場を作ってくれる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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