
教養としての社会保障
香取 照幸
東洋経済新報社 / 2017-05-19
この本について
社会保障の話って、どうしても「負担が増える」「将来が不安」みたいなざっくりしたモヤモヤで止まってしまいがちですよね。僕もそうで、ニュースを見るたびにため息だけ増えていくタイプでした。でも、この本を読むと、その不安の正体が少し細かい粒度で見えてきて、自分の生活の延長線で考えられるようになります。 特に刺さったのは、社会保障が「コスト」ではなく、人の財布の紐を緩めて経済を回す仕組みでもある、という視点です。老後の不安が減ると、いまのお金を使いやすくなるという当たり前の話を丁寧に説明してくれるので、貯め込むしかない、という思考が少しほぐれました。さらに、日本の医療アクセスが世界的に見ても異常なくらい恵まれていることや、年金制度が経済そのものの映し鏡になっている構造の話は、ニュースの数字を見るときの基準線をつくってくれます。制度がどう回っているかが分かると、「何となく不安」が「どこが課題なのか」に変わるのが大きいです。 一緒に悩んでいる身として言うと、この本は「専門用語抜きで社会保障の仕組みと意味を理解したい人」に特に刺さります。自分の生活と制度がどうつながっているのか、ちゃんと自分の言葉で説明できるようになりたいときに、ちょうどいい一冊でした。
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