
インドでわしも考えた
椎名誠
この本について
仕事でも日常でも、自分の価値観がけっこう固まってきたな…と感じる瞬間ってありますよね。世界は広いと頭では分かっていても、目の前の常識に引っ張られてしまうというか。そんなときに、外から強引に揺らしてくれるものって案外少ないんです。 『インドでわしも考えた』は、まさにその「揺らし役」みたいな本でした。宗教が八つあって、その成り立ちや比率を淡々と説明する場面を読むだけで、自分が普段どれだけ単一の物差しで世界を見ていたかが露わになります。さらに、洗濯屋の人たちが先祖代々べたんべたんと石に衣類を叩きつけて生計を立てている描写は、単なる“異文化”の面白さではなく、生活の仕組みや働き方の「前提」を考え直させてくれるんですよね。雨季の遅れを喜ぶという感覚も、自分の暮らしとは別の軸が確かに存在していることを実感させてくれます。 派手に人生を変えるような本ではないですが、自分の見方が少しズレるだけで日々の判断が軽くなることってあると思うんです。常識の外にある生活に、ほんの少しでいいから風を通したい人に向いています。 「自分の前提が固くなってきたかも」と感じている人には特に刺さるはずです。
読書インサイト
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