
宮本武蔵 全8巻合本完全版
吉川英治
千歳出版
この本について
仕事でも生活でも、「これでいいのか」と自分の足取りに自信が持てないときってありますよね。人と比べて焦ったり、近道ばかり探してしまったり、苦しい状況にぶつかるとつい避けたくなる。でも避ければ避けるほど、自分がどこに向かっているのか分からなくなる。僕自身、そんな堂々巡りに落ちこむことがよくあります。 吉川英治の「宮本武蔵」を読むと、武蔵が歩いた道は華やかな伝説とはまったく逆で、悩み、みじめさ、煩悩との格闘ばかりだったことに気づきます。たとえば「艱苦に克ったすぐ後には、艱苦以上の快味がある」という一文は、生きていくうえで避けたい出来事こそ、自分を作り直す起点になると教えてくれるし、「誰も通っていない街道を歩くと、自分の領分を歩いているような気がする」という感覚は、人と違う道を選んでしまったときの不安をそっと受け止めてくれます。また沢庵との対話に出てくる“勇気とは怖さを知ること” “心の修行こそ旅の本質”といった言葉は、行動の基準を一度落ち着いて見直すきっかけになります。 武蔵みたいに強くなろう、なんて話ではなく、むしろ「迷いながらでも前に進むとはどういうことか」を、人間の等身大の姿で示してくれる一冊です。自分の歩幅で進みたい人に向いています。
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