
Wind/Pinball: Two novels (English Edition)
Haruki Murakami、Ted Goossen
Vintage / 2015-08-04
この本について
日々の選択にいちいち揺れて、「自分の感覚ってどこまで信じていいんだろう」とモヤモヤすること、ありますよね。周りに合わせてみても落ち着かないし、かといって自分だけの物差しなんて簡単に見つかるわけでもない。その宙ぶらりんな感じに、なんとなく疲れてしまう時期があると思います。 村上春樹の初期作であるこの二つの小説は、そんな不安に直接答えてくれるわけではないんですが、「How the hell should I know!」と投げ出すような感覚や、「必要なのは敏感さより測る基準だ」という一言のように、登場人物の迷い方そのものが、自分の迷いと妙に重なる瞬間があります。物語としての派手さはないのに、日常の中でふと自分の思考を見直すきっかけになるのがこの本の面白いところでした。 特に、何が正しいか分からないまま動くしかない「upheaval」みたいな感覚を抱えている人には、少し距離を置いて自分を眺め直す視点をくれます。自信をくれるというより、「分からないままで歩く」ことを許してくれる、そんな位置づけの本です。 こんな人に刺さると思います。自分の中の基準がまだ定まらないまま、でもどこかで探したいと思っている人。私はそういう時期に読んだことで、肩の力が少しだけ抜けました。
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