
容姿の時代 (幻冬舎文庫)
酒井順子
幻冬舎 / 2015-01-16
この本について
仕事でも私生活でも、人との距離感や「見られ方」に妙に疲れる時があります。きちんとしすぎても息苦しいし、力を抜けば抜いたで不安になる。結局、自分はどう振る舞えばいいんだろう…と立ち止まってしまうあの感じです。 そんなモヤモヤに、この『容姿の時代』は少しだけ空気を入れてくれる本でした。 印象的なのは、日常のふとした場面を通して、人がどう「役割」を着たり脱いだりしているかを淡々と描いているところです。スーツに縛られつつどこかそれを楽しんでしまう会社員の姿や、ヤンキー的センスの裏にある寂しさ、美人かどうかを巡る言葉にできない気まずさ。どれも「自分も同じように誰かの前で何かを演じているんだな」と気付かされます。また、自然風の庭園やナチュラルメイクの話から、私たちが“自然さという演出”にどれだけ手間をかけているかを思い出させてくれるのも面白いところです。 読んでいて感じたのは、外見や振る舞いにまつわる悩みって、解決というより“見方が変わるだけで少し軽くなる”ことがあるということです。自分だけが不器用なんじゃなくて、みんな何かを装いながら、その裏でこっそり迷っている。そう思えるだけで、他人にも自分にも少し優しくなれる気がします。 「人付き合いや外見に振り回されがちだけど、どこか距離を置いて眺めてみたい」という人には特に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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