
傷口から人生。 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった (幻冬舎文庫)
小野美由紀
この本について
学校でも職場でも、人に合わせているつもりなのに「なんか全部ちぐはぐだな」と感じる日ってありますよね。自分の世界に閉じこもりたくなる一方で、他人のまなざしに振り回される怖さもあって、どっちに向かえばいいのか分からなくなる。私自身も、そういう時期が長かったです。 『傷口から人生。』は、そのモヤモヤを都合よくまとめてくれる本ではありません。でも、著者が自分の弱さや痛みをごまかさずに辿っていく過程が、読み手の視点をじわっと動かしてくれます。たとえば、「特別であろうとする気持ちの裏にある恐怖」に触れてくれることで、なぜ自分が他人を測ってしまうのか、そしてそのたびにしんどくなるのかが腑に落ちていく感覚がありました。また、「他者のまなざしにぶつかって繭を脱ぐしかない瞬間」の描写は、自分の世界だけを信じすぎて苦しくなっている時に、外側を見るための小さな取っかかりになります。そして、著者が最後に向き合う“本当の望みから逃げていた自分”の話は、身に覚えがありすぎて、ちょっと読むのがつらいほどでした。 うまくいかなさの理由を、社会でも環境でもなく、「自分へのウソ」にまで引き寄せて考えたい人には特に刺さると思います。強くなろうとしすぎて疲れた時、自分が何に怯えているのか言葉にできない時、この本は少しだけ呼吸を整えてくれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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