
ドキュメント コンピュータ将棋 天才たちが紡ぐドラマ (角川新書)
松本博文
KADOKAWA / 2015-03-25
この本について
仕事でも趣味でも、気づけば“正解らしきもの”を探してしまう瞬間ってありますよね。マニュアル通りに動けば外さないのは分かっているけれど、どこか窮屈で、そもそもそれって自分の戦い方なのか…と手が止まるあの感じ。僕もよく迷います。 『ドキュメント コンピュータ将棋』を読むと、その迷いに少し風が通ります。棋士も開発者も、整備された高速道路を走りつつ、渋滞を抜けるために自分なりの道を探している。準備に気乗りしなくても、後から効いてくる経験があること。プロ棋士の棋譜という積み上がった知の重さに、AI開発者が素直に驚く場面。どれも「最前線の人ほど、迷いながら手を伸ばしている」という事実を静かに示してくれます。 さらに印象に残ったのは、勝負の厳しさがあっても、簡単に“効率だけ”に寄らない姿勢でした。羽生やカスパロフの準備、コンピュータの弱点を突けば勝てるかもしれないけれど、それでは将棋そのものがつまらなくなるという葛藤。そこには、成果だけでは語れない営みの重たさがあり、仕事に置き換えると妙に胸に刺さります。 正解に寄せられがちな日々の中で、「積み上がったものを疑い、でも同時に尊敬する」という姿勢を見たい人に向いている本です。僕も読み終えてから、準備や迷いとの付き合い方が少し変わりました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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