
新装版 捨て童子・松平忠輝(中) (講談社文庫)
隆慶一郎
講談社 / 2015-04-15
この本について
人と接していて、「この人、何を考えているのか分からないまま終わったな…」みたいな場面ってありますよね。こちらも身構えてしまって、相手の本音に触れられないまま時間だけ過ぎていく感じ。大人になればなるほど、そういうすれ違いが増えている気がします。 『捨て童子・松平忠輝(中)』を読んでいて刺さったのは、どんな身分の相手にも分け隔てなく向き合う忠輝の姿勢と、人がごく短い時間だけ見せる「混じりけのない本音」を、どう受けとめるかという視点でした。虚勢の裏にふっと本音が漏れる一瞬があって、それを逃さず拾えるかどうかで関係がまったく違うものになる。これは歴史小説の中の話というより、普段の仕事や家族との会話にもそのまま当てはまる感覚でした。 相手を信じ切るなんて綺麗ごとは言えないけれど、「この瞬間だけは本気かもしれない」と思って耳を傾けることで、こじれかけていたやり取りがほどけることがある。逆に、こちらが心を閉ざしたままだと、一度きたチャンスが二度と戻らないこともある。そんな“人と向き合うときの呼吸”みたいなものを、この巻は静かに思い出させてくれました。 人間関係で「本音をどう扱えばいいのか」迷っている人ほど、じわっと効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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