
対話のレッスン 日本人のためのコミュニケーション術 (講談社学術文庫)
平田オリザ
講談社 / 2015-06-11
この本について
人と話していて、「なんでこんなに噛み合わないんだろう」とふと立ち止まることがあります。言っていることは理解できても、価値観の距離が埋まらない。相手の言葉の背景がつかめない。自分も同じように相手から見えているんじゃないかと思うと、少し不安になる。そんなとき、この本を読んで、自分が悩んでいたのは“技術不足”というより“態度の問題”だったのかもしれないと気づきました。 『対話のレッスン』が効くのは、まず「人は一人ひとり違う言語を話している」という前提を自然に受け入れられるようになるところです。相手の言葉を「正しくない」と判断する前に、背景のコンテクストを探りに行く姿勢が養われる。そして、対話は価値観のすり合わせであって、どちらかの勝ち負けに決着をつけるものではないという視点が入ると、議論の場でも肩の力が抜けていきます。さらに、演劇の例を通して、自分の価値観が変わっていく過程そのものを楽しめるようになる、というのもこの本ならではの体験でした。 他者との距離感に疲れたときや、コミュニケーションの正解が見えなくなったときに手元に置いておくと、少し呼吸がしやすくなります。じっくり物事を考えたいタイプの人ほど刺さる本です。
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