
真剣師 小池重明 (幻冬舎アウトロー文庫)
団鬼六
幻冬舎 / 1997-04-25
この本について
仕事でも生活でも、自分のクセやだらしなさを自覚しているのに、なぜか同じところでつまずくことってありませんか。真面目になりたい気持ちはあるのに、気づけば酒やネットや惰性に流されて、気持ちだけが置いていかれる感じ。僕もよくそこで立ち止まってしまいます。 『真剣師 小池重明』を読んで刺さるのは、小池という男の破天荒さそのものより、「どうしようもなさを抱えたままでも、人は必死に何かへ向かおうとする」という姿でした。飯場での劣悪な生活に耐えながらも、飯のうまさに救われたり、サンダル履きでプロ棋士との勝負に向かったり、女と酒に溺れては後悔し、それでも盤の前だけは妙に澄んだ集中を見せる。そういう“混ざり合った現実”が、読んでいてやけに生活の実感として入ってくるんです。 そしてもう一つ感じたのは、人は立派でも一貫していてもいなくてもよくて、「どこで踏ん張るか」が意外と大事なんだということ。借金まみれでも、空腹でも、負け続けの日々でも、小池は将棋だけは落とさない。才能云々というより、自分の一番深いところでだけ信じられる何かを持つことの重さを、彼の姿が教えてくれます。 綺麗事ではなく、生き方がブレてばかりの自分に少し嫌気がさしている人に、この本はそっと効いてきます。誰の模範にもならない男の人生なのに、読後に残るのは不思議と「もう少し自分を続けてみるか」という感覚でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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