ホワイトヘッドの哲学 (講談社選書メチエ)

ホワイトヘッドの哲学 (講談社選書メチエ)

中村昇

講談社 / 2007-06-10

累計読者数6
平均ハイライト数 36.5件/人
推定読了時間 約2時間12分
star総合評価 79/100
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この本について

仕事でも生活でも、「自分が動いているのか、状況に動かされているのか」がよく分からなくなるときがあります。目の前の出来事に巻きこまれている感じはあるのに、自分という主体がどこにいるのかは曖昧なまま。そんなモヤモヤを言葉にできずに抱え続けている人は多いと思います。 『ホワイトヘッドの哲学』は、この “巻きこまれ感” をそのまま出発点にしてくれる一冊でした。世界は「もの」ではなく、境界のない「こと」が生成しては消えていく場で、私たちもその中の出来事として形づくられているという視点に触れると、主体と客体の間で迷子になる感じが少し落ち着きます。自分の感覚や判断も、孤立した頭の中で完結しているのではなく、環境との関係のなかで立ち上がっているのだと理解できるからです。そして、この関係そのものを成り立たせているのが「フィーリング」だという説明が、日常の体験に妙にフィットします。強い音や衝撃に反応するときの、あの「自分と対象を分けられない瞬間」の扱い方が変わります。 読みながら思ったのは、変化が激しすぎて「軸」を探し続けてしまう今の感覚に、この本は過度な答えを与えないまま、世界の見え方を少しだけほぐしてくれるということ。世界そのものが流動していて、自分もその一部として生成しているのだとすれば、「どこに立てばいいか」と固めようとする緊張が少しゆるむ。そんな読後感がありました。 「自分の役割や位置づけを一度リセットして考え直したい人」に静かに寄り添う本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

超難解な思考をあざやかに解説! ホワイトヘッドの世紀は来るか!? 本書は、ホワイトヘッドという哲学者のひじょうに偏った入門書である。読者の方々が、ホワイトヘッド自身の本を手にとってみようか、という気になられることだけを目指した。他意(?)はない。わかりやすさを重視したので、かなり強引なところもあると思う。特に入門篇は、こちらの興味にぐっとひきつけて書いた。淡々と説明だけをするというのは、どうしても性にあわない。それぞれが、1話完結のエッセイとしても読めるように工夫したつもりだ。上手くいったかどうかは、保証の限りではない。もちろん全体として一貫した流れはある。いってみれば、本書全体が、ホワイトヘッドが考えたこの宇宙とおなじあり方、つまり「非連続の連続」になっているといえる……といいのだが。――〈[まえがき]より〉(講談社選書メチエ)
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