
異界と日本人 (角川ソフィア文庫)
小松 和彦
KADOKAWA / 2015-07-25
この本について
最近、仕事でも人間関係でも「境界線がどこにあるのか分からない」「自分の中のざわざわを持て余す」みたいな感覚が続くことがあります。相手の問題なのか、自分の問題なのか、その線引きが曖昧になると、一気に世界が混沌として見えてくるんですよね。 この本を読んでいて驚いたのは、日本人が昔から、その“混沌”を「妖怪」や「異界」として扱い、どう向き合うかを工夫してきたという視点でした。退治するだけでなく、祀り上げて折り合いをつけたり、境界に魔除けを置いて距離を保ったり、あるいは異界が自分の内面にもあると冷静に受け止めてきた。その姿勢が、今の生活にも意外なほど応用できるんです。例えば、苦手な相手に無理に踏み込まないことも「境界の管理」だし、行き場のない不安を名前づけるだけで落ち着くのは「妖怪を象徴化する」行為に近いと思いました。 歴史や民俗学の本ではあるけれど、読みながら「自分の混乱をどう扱うか」のヒントがじわっと出てきます。とくに、何かを完全に排除するのではなく、距離を調整し制御しようとする日本的な発想は、今の暮らしにも自然に馴染みます。日常のモヤモヤに“ラベル”を貼る感覚を身につけたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの63%が集中しています。
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