
新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社+α文庫)
飯塚訓
講談社 / 2015-06-22
この本について
仕事で判断を迷ったり、家族との別れを想像しただけで胸がざわついたり、そういう時に「自分は何を大事にしたいんだろう」と立ち止まることがあります。答えが出るわけじゃないけれど、どこかで向き合わざるを得ない問いのようなものが、日常の隙間からふいに顔を出すことがあります。 『墜落遺体』は、そうした問いに直接答える本ではありません。むしろ、息をのむほど過酷な現場の記録が淡々と綴られていて、読んでいて楽になるようなタイプの本でもありません。ただ、読者が保存している抜粋を見ると、多くの人が「人はどんな状況でも誰かを思う」「職務を貫く人間の姿勢」「死と向き合う時の価値観の違い」に強く反応しているように感じます。そしてその視点は、日常に戻ったときにじわっと効いてきます。 たとえば、愛する人なら変形した一部だけでも気づくという記述は、外側の形よりも関係性が人を定義するのだと教えてくれます。あるいは、歯科医師が「自分が診た患者の遺体は自分で探す」と駆けつける姿には、仕事の意味づけをどう持つかという問題が突きつけられます。さらに、外国人遺族の「死は死である」という価値観との違いは、自分が何を当然だと思っているかを見直すきっかけになります。 向き合うのがつらいテーマですが、「人が最後までどう生きようとしたか」を知りたい人には静かに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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