
なぜ名前だけがでてこないのか: 脳科学者が教える本当に正しい記憶力の鍛え方
澤田 誠
誠文堂新光社 / 2013-12-20
この本について
人の名前や単語だけがどうしても出てこなくて、急に自分の記憶力が落ちたんじゃないか…と不安になること、ありますよね。僕も仕事中に固まってしまい、「なんで今だけ思い出せないんだ」と焦ってさらに出てこなくなる、という負のループをよくやっていました。 この本が面白いのは、「思い出せない」現象を根性や努力不足ではなく、脳の仕組みとして説明してくれるところです。焦りのような不快な情動が神経回路を抑え込むとか、意味記憶・エピソード記憶が睡眠の深さで整理されているとか、普段の生活の中で起きていることがつながって見えてきます。アルコールが血液脳関門をすり抜ける理由の話もそうですが、脳って意外と合理的にできているんだな、とちょっと安心できるんですよね。 読んでいて特に刺さったのは、「思い出せないときの自分を不必要に追い詰めなくていい」という視点の変化でした。焦って探すより、一度手放して別の作業をしているうちに自然と思い出す──そんな経験の裏側に、ちゃんと脳の働きがあると知るだけで、余計なストレスをかけずに済むようになります。 自分の物忘れに過敏になりがちな人、または仕事で「頭の回転が鈍くなった気がする」と感じている人に静かに効いてくる一冊だと思います。
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