
最低。 (角川文庫)
紗倉 まな
イースト・プレス / 2015-04-10
この本について
仕事でも創作でも、誰かの前に自分を差し出すとき、「これって自己満足じゃないか」「そもそも世の中に必要とされてるのか」と急に足がすくむ瞬間があります。周りの評価は不透明で、偏見や噂もまとわりつく。正面から全部受け止めようとして、しんどくなることも多いですよね。 『最低。』を読んで刺さったのは、そういう“曖昧なしんどさ”に対して、登場人物たちが妙にリアルな距離感を持っていたことでした。たとえば、「やりたくないなら撮影を強いたくもない」という冷静さと、「誰か一人の灯になっていればそれでいい」という揺るぎない肯定が同時に存在しているところ。偏見を全部つぶそうとしない代わりに、受け流す技術を身につけていく姿も、自分の生活にそのまま持ち帰れる感覚がありました。 創作は自己満足で終わってはいけない、という痛いほどまっすぐな指摘もあって、「価値として届く形に仕上げる」という当たり前のことの重さを思い出させてくれます。表現を仕事にしていなくても、人に何かを渡そうとする場面では必ずぶつかる壁だと思います。 自分の仕事や表現の“立ち位置”がよく分からなくなる人に静かに効いてくる本です。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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