
お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ (PHP文庫)
糸井 重里、邱 永漢
この本について
お金のことって、向き合わなきゃと思いながらも、どこかで「自分とは関係ない話」にして逃げたくなるときがあります。将来の不安もあるのに、経験からできた自分のものさしにしばられたり、欲望そのものをなかったことにしたりして、余計に身動きがとれなくなる。僕もずっとその繰り返しでした。 この本は、いわゆるお金のHowToではなくて、もっと手前の“ものの見方”をほぐしてくれる感じがあります。たとえば、未来は誰も経験していないのだから、過去の目だけで判断すると見えるものが狭くなる、という話。これはお金だけじゃなく、キャリアや人間関係にもそのまま効きます。 それから、欲望を否定しないという視点。自分の中で「そんなこと望んじゃいけない」と押し込めていた気持ちほど、ちゃんと扱ったほうが動きやすくなるんだなと実感しました。 そしてもうひとつは、逃げ道をつくるという考え方。自分にも相手にも一本道を強制しないほうが、結果的に健全なんだと気づかされます。お金の話なのに、人との距離の取り方まで腑に落ちるのは不思議でした。 大げさに成功を語る本が苦手で、でも今の考え方のままじゃ少し息苦しい……そんな人には、ゆっくり効いてくる一冊だと思います。
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