
レナードの朝〔新版〕 (ハヤカワ文庫NF)
オリヴァー サックス、春日井 晶子
この本について
仕事でも生活でも、どうして自分や相手の“調子”が日によってまるで別人になるのか、うまく説明できないまま抱え続けていることがありませんか。意志が弱いとか、気分の問題とか、そういう言葉では片づけられない何かに振り回されている感じ。僕もよくそこに立ち止まります。 『レナードの朝』を読むと、その「よくわからない揺らぎ」に少し輪郭が出てきます。パーキンソン症候群の患者たちが、時間や空間そのものの感じ方が歪んでしまうことで、動けなくなったり、逆に思考や行動が猛スピードになったりする場面が描かれています。単なる症状の話ではなく、人の行動の裏側には“世界の見え方”そのものの変化があるんだと気づかされます。また、音楽やボール一つで突然動き出す患者のエピソードは、僕らの日常にもある「なぜかこれだけはスイッチが入る」という感覚に繋がってくるし、意志より前にリズムや環境が身体を動かしているのかもしれないと思わされます。 読んでみて一番大きかったのは、人を理解する時の物差しが少し変わることです。自分がなぜ動けないのか、相手がなぜ急に変わるのか、その背景にある“世界の捉え方”まで想像できるようになる。これは医療の話に限らず、日々のコミュニケーションにも静かに効いてきます。 人の「調子」を一段深く理解したい人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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