
童話物語(下) 大きなお話の終わり (幻冬舎文庫)
向山貴彦・著、宮山香里・絵
この本について
最近、人間関係で疲れたときや、自分の中にある嫌な部分がふと顔を出したとき、「結局、人って変われないのかな」と思う瞬間があると思います。誰かに失望したり、自分にがっかりしたりして、その感覚を抱えたまま日常を続けるのってけっこうしんどいですよね。 『童話物語(下)』を読んでいて感じたのは、そのしんどさを否定せずに受け止めつつ、「それでも変わる余地は残っている」という小さな灯りを置いてくれる物語だということでした。紫の目の人々の場面に読者が強く反応しているのは、恐ろしい描写そのものというより、「普段隠している感情がもし表に出たら」というリアルな怖さを突かれたからだと思います。そこから物語が示すのは、人が変わる瞬間って、劇的なイベントではなく、誰かの温度や言葉にふっと触れたときに芽生えるものなんだという視点でした。 特に、ルージャンがペチカを抱きしめる場面や、虹の下で人がそれぞれの大切なものを思い出す描写は、「自分はもう手遅れなんじゃないか」と思ってしまう日に、じわっと効いてきます。変わるために大きな覚悟なんていらなくて、ただ立ち止まれる瞬間さえあればいいのかもしれない、と自然に思わせてくれるんですよね。 人に冷たくしてしまった日、自分の未来をうまく想像できない夜、そんなときに読みたい物語です。特に「人間嫌いになりかけてるけど、本当はまだ信じたい人」に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの59%が集中しています。
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