
危険な関係 (角川文庫)
竹村 猛、ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ
KADOKAWA / 2004-05-25
この本について
人間関係で「同じように接したはずなのに、なぜか結果がまったく違う……」というモヤモヤってありますよね。年齢や立場が変わると正解がズレたり、相手の事情で思わぬ方向に転がったりして、何を信じて振る舞えばいいのか分からなくなることがあります。私自身も、人との距離感を読み違えて後からひとり反省会をしてしまうことが多いです。 『危険な関係』を読むと、その揺らぎが少し整理されます。たとえば、同じ原因でも同じ結果が生まれないという一文は、努力や誠意が必ずしも期待通りの形で返ってこない現実を、変に慰めるでもなく淡々と示してくれます。また、ある母親が「娘が結婚するときに渡したい」と言った場面は、人間関係の判断には知識より経験の積み重ねが効く、という視点を気づかせてくれます。さらに「母親を尊敬しない娘は、自分自身を尊敬しない」という言葉は、相手への態度が自分の扱い方そのものに跳ね返るという、今にも当てはまる感覚を思い出させてくれます。 フィクションとして楽しめる物語ですが、書簡のやり取りを追ううちに、人がどのタイミングで道を誤り、どこで踏みとどまれるのかが少し見えてくる本です。人間関係の判断に迷いがちな人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの80%が集中しています。
読書の順序
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