
友だち幻想 ――人と人の〈つながり〉を考える (ちくまプリマー新書)
菅野仁
筑摩書房 / 20080307
この本について
人間関係って、距離を詰めるのも離すのもむずかしいですよね。職場でも学校でも、「合わない人とどう共存するか」で疲れてしまうことが多いけれど、そもそも他者は自分とは違う存在だと思えるまでが長い道のりだな、とよく感じます。つい「わかってほしい」「もっとこうしてほしい」と期待しすぎて、勝手に傷つくこともありますし。 『友だち幻想』は、そういうモヤモヤに対して「大人の関係づくりってこういうものかもしれない」という視点を静かに置いてくれる本でした。たとえば、気が合わない相手には無理に近づかず、ぶつからない距離で同じ空間を共有するという考え方。冷たく感じるかもしれないけれど、むしろお互いを守る現実的な選択なんだと腑に落ちました。また、「上には上がいる」と知ることでルサンチマンに飲み込まれにくくなる、という話も自分の心の動きを扱いやすくしてくれます。「やりすごす」という姿勢を言語化してくれるのがありがたいところです。 他者は脅威にもなるし、あじわいの源にもなる。その二重性を前提にしたうえで、どう関係をつくり、どう距離をとるか。ここを押しつけずに考えさせてくれるので、読後にちょっと肩の力が抜けました。 人との距離感にずっと悩んできた人ほど、静かに効いてくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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