
僕が伝えたかったこと、古川享のパソコン秘史 (NextPublishing)
古川 享
インプレスR&D / 2015-12-11
この本について
仕事でも趣味でも、いま自分が触っている技術やプロダクトの「根っこ」が分からないまま動いていて、なんとなく落ち着かないことってあります。目の前の改善はできるけれど、そもそも何のためにこの仕組みが生まれたのか…という問いに向き合う余裕がないまま過ぎていく感じです。僕もよくそこでつまずきます。 『僕が伝えたかったこと、古川享のパソコン秘史』を読んで強く感じたのは、当時の人たちは決して“時代の中心にいた天才集団”ではなく、「身近な誰かを少し楽にしたい」みたいな、驚くほど小さくて具体的な動機から動いていたということでした。ビル・ゲイツの「母親の仕事を助けたかった」という話もそうだし、出版部門の売上で技術開発を支える現場の泥臭さも、妙に今の自分ごとに引き寄せられました。結果だけを知っていると神話みたいに見えるけれど、実際は権限委譲に救われたり、偶然の出会いに左右されたり、日々の判断の積み重ねだったんだなと視点が変わります。 技術が好きな人にはもちろん刺さるけれど、それ以上に「自分の仕事の“はじまり”をもう一度見つめたい人」に向いている本です。今やっていることの意味がぼんやりしてきたときに読むと、少しだけ地に足がつきます。
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