
世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)
マイケル・ルイス and 東江一紀
文藝春秋 / 2013-03-10
この本について
仕事で人の判断を読むとき、結局「何を考えて動いているのか」がつかめず、もやっとすることがあります。相手の言葉よりも、その裏にある動機を見たいのに、自分の視野が狭い気がしてしまうというか……。 この本を読んで一番効いたのは、巨大な金融危機の話なのに、登場人物たちがそれぞれ「何を見て、何を見落としていたのか」が異様にはっきり浮かび上がるところでした。市場全体が同じ方向を向いているときほど、極端な値動きの可能性を過小評価しがちだとか、誰も気にしていない延滞率の数字に執拗にこだわる人が結局は全体像をつかんでいたとか、そういう場面が仕事の判断にもそのまま持ち込める感覚があります。さらに、当事者たちの無知や思い込みがどんなふうに連鎖していくのかを追っていくと、自分の周りでも同じ構造が起きていないか自然と点検したくなりました。 派手な成功物語として読むよりも、「情報が非対称な場所でどうやって正気を保つか」という実務的な指南書に近い読み心地です。特に、広い視野を持つ人ほど軽んじられる構造が描かれているあたりは、組織で孤立感を覚えるタイプには静かに刺さると思います。 こんな人に刺さる:群れの勢いに流される自分に少し違和感を覚えている人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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