
脳には妙なクセがある (扶桑社BOOKS)
池谷 裕二
扶桑社 / 2012-08-02
この本について
日々の行動や選択に「なんで自分はこう感じてしまうんだろう」とモヤモヤすること、けっこうありますよね。気持ちの問題と言い切るには違和感があるし、かといって理屈で説明できるほど自分の心を理解できているわけでもない。そのあいだで宙ぶらりんになる感じ、僕もよくあります。 『脳には妙なクセがある』は、その宙ぶらりんを少しだけ地面に下ろしてくれる本でした。たとえば、行動していないのに「動いた」と感じる仕組みや、値段を聞いただけでワインの味が変わる脳の反応、さらには妬みやプライドといった社会的感情がどれだけ他者前提で成り立っているのかなど、頭の中で起きていることを淡々と説明してくれます。読むほどに「悩んでいたあの感じは、脳のクセだったのかもしれない」と視点が変わるんですよね。 特に刺さったのは、後知恵バイアスや過大評価の話です。正しさにしがみついたり、逆に謙遜しすぎたりする自分の癖が、脳のデフォルト設定だと思うと、ちょっと肩の力が抜けます。夢を描けなくなることを「脳の老化」と結びつける視点も、今の行き詰まりを別角度から見直すきっかけになりました。 自分の感情や判断の正体を、もう少しフラットに理解したい人に刺さる一冊だと思います。脳の不思議を知るというより、「自分を責める材料がひとつ減る」タイプの本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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