
ルポ 消えた子どもたち 虐待・監禁の深層に迫る (NHK出版新書)
NHKスペシャル「消えた子どもたち」取材班
NHK出版 / 2015-12-11
この本について
子どもに関するニュースを見るたび、「どうして周りは気づけなかったんだろう」と自分の中にも小さなざわつきが残ることがあります。親のしんどさも、子どものしんどさも、外からは本当に見えにくい。だからこそ、「何を基準に動けばいいのか」がわからなくなる瞬間があるんですよね。 この本は、そんな迷いに対して大きな声で答えるわけではありませんが、現場で起きている“見えなさ”の背景を静かに教えてくれます。たとえば、虐待という言葉の裏に「親自身の育てられ方が侵入してくる」という視点があること。あるいは、学校や福祉が“家庭の殻”の中に踏み込めず、結果的に支援が届かなくなる現実。読みながら、原因を単純化せずに、親と子の関係をどう理解すればいいのかが少しずつ輪郭を持ってきます。 もう一つ刺さったのは、親を責めるだけでは何も動かないという点です。精神疾患を抱える親、貧困で選択肢が狭まる家庭、制度の隙間に落ちる子どもたち。どれも“誰か一人”の問題ではなく、支援の網目の細かさで結果が大きく変わってしまう。現実は重いのに、不思議と絶望だけでは終わらず、「じゃあ自分は何を見落とさないでいられるだろう」と考え続けるきっかけを残してくれます。 子どもや親をめぐる問題を、表面的な言葉だけで片付けたくない人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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