
男ともだち (文春文庫)
千早 茜
文藝春秋 / 2017-03-10
この本について
人と距離を取るのが下手で、でも近づけば近づくほど息苦しくなる時ってありませんか。仕事に集中したいのに、誰かとの関係が頭の端でずっと揺れていて、どこまで踏み込んでいいのか自分でもよくわからない。私もよくその迷路に入り込みます。 『男ともだち』は、その曖昧さを無理に整理しようとしません。むしろ「そういう揺らぎのままでも生きられる」とそっと示してくれる物語でした。創作に没頭したくても恋愛のやり取りに気力が持っていかれるところや、孤独の時間ほど純度の高いものが作れるという感覚、変わりたい気持ちと変わりたくない気持ちが同居するあのしんどさ。読んでいて、ああこれ私だけじゃないんだと何度も思いました。誰かと深く関わるたびに「特別」に縛られてしまうし、逃げたいのに相手に先に逃げられるのは許せないという矛盾すら、丁寧に描かれています。 この本は、悩みを解決してくれるタイプではありません。ただ、自分の不器用さを少しだけ肯定できる余白を与えてくれる。孤独を恐れながらも、結局は自分の手で作品や人生を作っていくしかない人には、静かに響くと思います。 こんな人に刺さります。誰かと距離を保ちつつ、自分の仕事や創作を手放したくない人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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