
武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン
平井 孝志
東洋経済新報社 / 2020-07-17
この本について
仕事で何か詰まったとき、「そもそも何が問題なんだっけ?」と自分でもよく分からなくなることがあります。議論しても噛み合わなかったり、考えているつもりなのに同じ場所をぐるぐる回っていたり。僕自身、この“問題設定のズレ”で時間を溶かしてしまうことが多いです。 この本が刺さるのは、まさにその曖昧なモヤモヤを、図にして外に出すことで解きほぐせるところでした。フレームワークを“思考の切り口”として使う感覚や、四角と丸だけで現状と概念を分けて描くシンプルさもありがたいのですが、特に効いたのは二つ。ひとつは、ビッグ・ピクチャーを最初に広く取るという姿勢です。問題設定を狭く始めると、どうやっても正しい場所に辿り着けないという指摘は、自分の失敗を何度も思い出しました。もうひとつは、ハズレ値を見るという視点です。平均ではなく、外れた事例から問いを立てることで、自分の固定観念に気づきやすくなる感覚がありました。 そして、Why So/So What/True?の三つの問いかけは、議論が抽象論に飛びがちなときのブレーキにもなります。具体例を挙げられないものは、一度立ち止まって考え直せばいい。そう思えるだけで気持ちが少し軽くなりました。 頭の中が散らかりがちな人や、「考えているつもりだけど、考えた形が残らない」と感じている人には、特にしっくりくる一冊だと思います。自分の思考を他人に伝える場面が多い人にも向いています。
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