
大学・中庸 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫)
矢羽野 隆男
KADOKAWA / 2016-02-25
この本について
仕事でも家庭でも、人との距離感や判断の優先順位でつまずくことが多いな、と感じる時期があります。正しさだけでは動けないし、感情に流されると後悔する。その狭間で「結局どう振る舞えばいいのか」が見えなくなる瞬間ってありますよね。僕もまさにそこで止まってしまうことがあり、この本を開いたときに少しだけ視界が広がりました。 『大学・中庸』は、いわゆる“哲学書”というより、人がどう立ち、どう周りと関わるかを丁寧にほどいた生活の教科書に近いです。例えば「物事には本末と終始がある」という一文は、目の前のタスクに追われがちな日常の中で、まず自分の心を整えるところから順番を付け直す感覚を思い出させてくれました。また「自分の自由は他人の自由によって限界づけられる」という絜矩の考え方は、仕事で意見がぶつかったときに、一歩引いて相手の立場を想像する小さな行動の変化につながりました。さらに「慎独」という、自分しか知らない小さな心の動きを丁寧に扱う姿勢は、誰に見られていなくても後から自分を責めないための支えになります。 派手な解決策は書かれていませんが、行動の前に立ち止まって軸を確認したい人にはじんわり効く本だと思います。とくに、感情や判断の揺れをひとりで抱え込みがちな人に刺さるはずです。
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