
あの一瞬 アスリートが奇跡を起こす「時」 (角川文庫)
門田 隆将
KADOKAWA / 2016-03-25
この本について
仕事でも趣味でも、いざ本番になると「自分よりできそうな人に任せた方がいいんじゃないか」と弱気になることがあります。調子が悪い日が続くと、積み上げてきたものまで揺らぐ感じがして、どこで踏ん張ればいいのか分からなくなるんですよね。そんなときに、この本で拾った言葉が妙にしっくりきました。 たとえば「調子の悪いベテランより、調子のいい新人を出す」という一節。自分の状態を正確に見る視点がないと、必要以上に自分を責めたり、逆に変に意地を張ったりしてしまうのですが、この言葉は“状況に合わせて戦う”という当たり前を思い出させてくれます。失敗をゼロにするんじゃなくて、「倒れるたびに必ず起き上がる」ほうがずっと大事だという話も、日常に置き換えると急にリアルになります。 さらに、王貞治の「報われない努力があるとすれば、それは努力とは言わない」という言葉が、努力=根性という雑なくくりではなく、工夫し続ける姿勢なんだと教えてくれます。出塁は許しても得点は許さないというスタルヒンの強さも、結果そのものより“崩れ切らない精神の持ち方”に焦点があって、読んでいると肩の力が抜けてくるんですよね。 スポーツの話ではあるんですが、実際には「自分の調子をうまく扱えない人」に刺さる本だと思います。大げさな勇気づけではなく、現場の温度を帯びた言葉が静かに効いてくる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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