
東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論 (文春文庫)
立花隆
文藝春秋 / 2004-03-10
この本について
英語でも仕事でも、知識は増えているはずなのに「いざ使う場面で手が止まる」という感覚、けっこう共通じゃないでしょうか。頭ではわかっているのに体がついてこない。自分でもその違和感をずっと抱えていて、そんなときに立花隆のこの本で、知識と技術の切り分けがかなり腹に落ちました。 特に刺さったのは、外国語を例にした“エピステーメーとテクネー”の話です。単語や文法を覚えても会話が詰まるのは、知識だけでしゃべろうとしているからで、発声器官レベルでの訓練が欠けている。これは語学だけじゃなく、仕事の文章、議論、資料作成にもそのまま当てはまります。結局、「知っている」だけでは動けず、「使える」には別の回路が必要なんだなと。 もう一つは、巨大書店を全部歩かせるというエピソード。自分の知識の小ささを実感させるための方法として書かれているのですが、これを読むと、情報の取捨選択の基準を持つことがどれだけ生存戦略になるかがリアルに伝わってきます。何を読むかより、何を読まないか。これは年齢を重ねるほど重く響くテーマです。 知識はあるのに実践が弱いと感じている人、あるいは教養という言葉にどこか引っかかりを抱えている人には、とくに沁みる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの60%が集中しています。
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