
なぜあの経営者はすごいのか
山根 節
ダイヤモンド社 / 2016-06-20
この本について
仕事で意思決定を任されるようになると、「どっちを選んでも誰かが不満を言うな…」みたいな場面が増えてきます。ビジョンの大きさも、投資の配分も、ほどほどの正解が見つからない。私自身ずっとここでつまずいていて、モヤモヤの正体がよく分からなかったんですが、この本を読んでようやく「トップの仕事って、そもそも“悩ましい選択”を引き受けることなんだ」と腹に落ちました。 面白いのは、その抽象論を“経営の現場”に落として説明してくれるところです。孫正義の「鯉取り名人」の話にしても、「情報革命のインフラ」を押さえるために見本市や業界誌を買った話にしても、一見突飛なのに、ストーリーと数字でちゃんと辻褄が合っている。ああ、こうやって大きな絵を描きながらも、最終的には収支で意思決定を締めるのかと、具体的に想像できました。それから、社内の資源配分の揉め事をどう割り切るかの描写もリアルで、「全員ハッピーは存在しない」という前提を持つだけでも気持ちが軽くなりました。 圧倒的な直感だけで突き進む話ではなく、トップがどう視界を広げ、どう迷いを引き受け、どう人を巻き込むのか。そのプロセスが冷静に描かれているので、変に神格化されていないのも読みやすかったです。 自分の決断に自信が持てなくて、いつも板挟みになっている人に刺さる本だと思います。
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