
憲法の無意識 (岩波新書)
柄谷 行人
岩波書店 / 2016-04
この本について
政治のニュースを見るたびに、「なぜこの議論はいつもかみ合わないんだろう」とか、「九条って、みんな何を前提に話してるんだろう」といったモヤモヤが残ることがあります。自分も同じで、感情論と制度論がごちゃっと絡まったまま、どこを掘れば理解が進むのか分からずにいました。 『憲法の無意識』は、そのモヤモヤの“根っこ”を歴史と思想の流れから丁寧にほぐしてくれます。たとえば、象徴天皇という制度が戦後に突然生まれたわけではなく、島国ゆえに長く続いた「常態」だったこと。九条も外から与えられたものに見えながら、徳川期の平和観とつながる面があること。さらに、カント的な平和論が国際関係の波の中で周期的に浮上してくる理由──こうした説明が、ニュースだけ追っていても絶対に見えない背景を照らしてくれます。 読んでいると、いま起きている議論を「感情」ではなく「交換様式」や「ヘゲモニーの変化」といった視点で捉えられるようになるのが面白いところです。ITの発展がなぜ不況につながるのか、なぜ各国が防衛や力の議論に揺り戻されるのか、といった問いにも、思考の地図が一枚増える感覚があります。 制度や国際情勢をめぐる議論に、どこか“踏み落ちない”感じを抱えている人に刺さる本だと思います。自分も読んで、ニュースを見るときの目線が少し静かになりました。
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多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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