
帝国の構造 中心・周辺・亜周辺 (岩波現代文庫)
柄谷 行人
岩波書店 / 2023-11-15
この本について
仕事でも社会のことでも、目の前の現象をどう捉えればいいのか分からなくなる瞬間ってあります。新自由主義がダメなら国家が強く出ればいいのか、でもそれも根本の解決になっていない気がする。ニュースを追っていても、どこか同じところをぐるぐる回っているような感覚がある。そんなモヤモヤを抱えたまま動けなくなることが、僕にもよくあります。 『帝国の構造』が効いてくるのは、いま私たちが立っている場所そのものを別の角度から照らしてくれるところです。資本・ネーション・ステートがセットで動く世界では、どれか一つを批判しても抜け出せない、という視点は、自分が日々感じていた「変わらなさ」の正体を言語化してくれました。さらに、産業資本が時間の差異をつくることで価値を生む、という説明は、いまの労働や技術革新をどう受け取るかに直結してくるし、中国史の例を使いながら、社会がどのように統治と互酬性のバランスで揺れ動くのかを描く部分は、現代のコミュニティや組織の問題とも自然につながります。 読みながら、政治思想や経済の本というより「いまの世界の見え方が一段深くなる本」に近いと感じました。なにか大きな答えをくれるというより、自分が立てる場所を増やしてくれる。そういう意味で、同じ景色を見ているはずなのに説明がつかない、という感覚がつづいている人にはとても刺さると思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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