
猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1 サクラダリセット(新装版/角川文庫)
河野 裕
この本について
自分の気持ちをちゃんと確かめたいのに、相手にどう見えるかを考えすぎて足が止まることってありませんか。知りたいのに踏み込めない、頷けば楽なのに少しだけ自分が薄まる気がして戸惑う。そういうモヤモヤを抱えたまま日常を続けていると、「本当はどうしたかったんだっけ」とよく分からなくなる瞬間があります。 『猫と幽霊と日曜日の革命』を読んでいて、引用された部分に反応した人は、きっとこの“距離の取り方”の迷いに心当たりがあるのだと思います。主人公のケイが「知ろうとすること」をためらったり、春埼が能力に対してだけでなく色々なことに無関心でいようとしたり。その姿はファンタジー要素がありつつも、わたしたちが日常でやってしまう守り方に少し似ています。 この物語が効くのは、何か大げさに背中を押してくれるからではなく、小さな選択の積み重ねが人との関係を変えていくところを丁寧に描いているからだと思います。素直に頷くことが自分を薄めるどころか、むしろ相手との接点を濃くしてくれる瞬間がある。理解し合うことを最優先にしなくても、理解しようとする姿勢そのものが関係の形をつくる。そんなことを静かに示してくれます。 人との距離がうまくつかめず、踏み込みたいのに少し怖い人に刺さる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの63%が集中しています。
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