
貞観政要 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫)
湯浅 邦弘
KADOKAWA / 2017-01-25
この本について
仕事でも家庭でも、人に意見を求めながら進めたいのに、いざ本音で指摘されるとモヤッとすることがありませんか。自分でも「聞く耳を持てていない瞬間があるな…」と気づきつつ、じゃあどう直せばいいのかとなると途端に曖昧になる。僕自身、リーダーじゃなくてもこの壁にぶつかることが多くて、そこで手に取ったのが『貞観政要』でした。 この本が効いたのは、理想論ではなく「人はなぜ聞けなくなるのか」「どんなときに組織はゆるむのか」を、太宗と臣下の対話を通して淡々と描いてくれるところです。たとえば、外部の敵よりも自分の欲望のほうが自滅を招くという指摘は、状況に甘えたときの判断ミスをそのまま突くようでした。また、諫める側にも段階があって、信頼ができていない段階で強く言えば誹謗と受け取られるという話は、まさに職場のコミュニケーションそのままです。さらに、創業期より守成期のほうが難しいという視点は、成果が出た後に雑になる自分を思い出させました。 結局、強いリーダーシップとは暴走することではなく、耳の痛い言葉をどう受け取れるかにかかっている。この本はそれを大声で言い切るのではなく、具体的なやり取りの積み重ねで示してくれます。過度に崇める感じはなく、むしろ「みんなこんなふうに迷いながら判断してたんだな」と肩の力が抜けました。 自分の立場に関係なく、「聞くこと」や「気の緩み」が気になる人には刺さると思います。
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