
あかんやつら 東映京都撮影所血風録 (文春文庫)
春日太一
文藝春秋 / 2016-06-10
この本について
仕事でも創作でも、気づけば「自分のエゴと現場の現実のどっちを優先すべきか」で迷うことがあります。理想を追いたい気持ちと、スケジュールや数字という現実の板挟み。そのせいで、何を基準に判断すればいいのか分からなくなる瞬間ってありますよね。 『あかんやつら』を読んでいて感じたのは、東映京都撮影所という“戦場”の空気が、いまの私たちの悩みと驚くほど地続きだということです。スターのエゴが作品を迷走させたり、逆に観客を徹底的に意識した編集と脚本が新しい流れを作ったり。現場の判断がどう作品の命運を左右するかが、生々しいほど描かれています。特に「観客を忘れた瞬間に衰退が始まる」というくだりは、どんな仕事にも通じる痛みを持っていました。 もう一つ刺さったのは、若手が限られた権限の中でどう動くかという部分です。助監督たちが同人グループを立ち上げて脚本を書き始めたり、製作部がスケジュールと予算を死守して現場を回したり。それぞれの立場で「今の自分にできること」を選び続けている感じが、とても現実的でした。 派手な成功談ではなく、迷いと失敗の蓄積からしか見えてこない視点ばかりなので、「理想と現実の折り合いがつかない」と感じている人には特に刺さると思います。そんなときに読むと、自分の立場をどう動かすかのヒントがじわっと出てくる一冊でした。
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多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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