
イノベーションはなぜ途絶えたか ──科学立国日本の危機 (ちくま新書)
山口栄一
この本について
仕事で新しい提案を考えるとき、「結局どこから手をつければいいのか」と立ち止まることがあります。組織の意思決定も現場の空気も、なぜかイノベーションと噛み合わない。自分の努力だけでは越えられない“構造的な壁”があるんじゃないか…と感じている人は多いと思います。 この本が効くのは、その壁の正体を淡々と示してくれるところです。行政や企業の制度に欠けている視点、研究とビジネスの距離の遠さ、分野をまたいで思考する人が育たない背景。読者がすでにうっすら気づいていた違和感を、はっきりと言語化してくれるので、自分の仕事の中で「なぜここで止まるのか」を整理しやすくなります。また、著者が語る“知の創造と具現化の連鎖”という視点は、アイデアを形にするプロセスを個人レベルでも捉え直すきっかけになります。文系でも理系でもなく、境界をまたぎながら考えるという姿勢が、自分の日々の仕事にも持ち込めるのが面白いところです。 制度や組織の話が中心ですが、読み終えると「結局、自分の思考範囲をどう広げるか」が問われている本でもあります。組織の中でモヤモヤしている人、あるいは“何かを生み出す側”に近づきたい人には刺さるはずです。
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