
ペスト(新潮文庫)
カミュ and 宮崎嶺雄
この本について
最近、自分の身に起きていることを「どこか現実味がない」と感じる瞬間が多くて、でも気づけばじわじわ生活を侵食している…そんなモヤモヤを抱えることがあります。起きている出来事の規模と、自分の実感のズレ。その間に立ち尽くしてしまう感じです。 『ペスト』を読み返していて、抜粋された部分から伝わってきたのは、この“実感の遅れ”をめぐる切実さでした。人はたいてい、自分の頭上に落ちてきた災厄をすぐには認められない。正常なはずの生活を手放すタイミングもつかめない。けれど、それでも現実に向き合わざるを得ない時が来て、そのとき必要になるのは派手な勇気ではなく、もう少し地味な「誠実さ」や「想像力」だという視点です。 この本が効くのは、目の前の問題が抽象的すぎて、どこから手をつければいいのか分からないとき。あるいは、世の中の動きも、人の愚かさも、どれも「ばかげてるのに続いてしまう」ことに打ちのめされそうになったとき。日常のスケールで考えると見えなくなるものを、リウー医師たちの迷いを通して、少しだけ扱える大きさにしてくれます。 特に、ものごとの全体像を把握しきれず不安を抱えている人、そして「せめて犠牲者の側に立つことだけは選びたい」と思うタイプの人には、静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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