
ナナメの夕暮れ (文春e-book)
若林 正恭
文藝春秋 / 2021-12-07
この本について
他人の視線に敏感になったり、場の空気に合わせすぎて自分の意見がどこかへ行ってしまったり。気づくと「今日の自分」を置き去りにして、理想の自分ばかり追いかけている……そんな感覚って、誰しも一度はあると思うんです。僕も例外ではなくて、むしろずっとその迷いの中で生きてきたタイプです。 『ナナメの夕暮れ』は、そういうモヤモヤに対して“大きな答えをくれる”というより、著者が自分の内側を一つずつ確認しながら進んでいく姿を通して、「ああ、こういう感じでいいんだ」と肩の力が抜ける本なんですよね。例えば、他人の正解に合わせ続けて自分がわからなくなるときのしんどさとか、一人でいる時間が好きなのにどこか後ろめたさを感じてしまう瞬間とか。そういう“言葉にしづらかった違和感”が、妙に丁寧に扱われている。読んでいると、自分の内側にも同じような声があったことに気づかされます。 個人的に効いたのは、理想の自分を追い続けて現在の自分を楽しめなくなるプロセスを、ここまで正直に書いてくれたところでした。あと、自分の意見をすぐ表に出さなくていい、財布にしまっておいて必要なときに取り出せばいいという視点も、無理に“強くあれ”と言われがちな空気の中で救われる人が多いと思います。 自分を大きく見せなくても、生き方はちゃんと作れる。そんな実感がほしい人には刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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