
残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか (NHK出版新書)
更科 功
この本について
自分の体って、なんでこんなに不完全なんだろう…と考えてしまう瞬間ってあると思います。走れば息が上がるし、食べもの一つとっても相性があったりする。もっと効率よく作ってくれればよかったのに、と。でもこの本を読んでいると、「不完全に見える理由」に、想像以上の背景があることがわかってきます。 たとえば、進化は未来の計画なんて立てていなくて、「いま役に立つかどうか」だけで方向が決まるという話。だから途中でアクセルとブレーキが入れ替わるように、方向性もころころ変わる。大人がミルクを飲めるようになったのも、そんな偶然の積み重ねだと知ると、体の不合理さにも少し優しい目で見られるようになります。また、二足歩行が地上では不利なのに、木の上では有利だったからこそ進化した、という説明を読むと、「最適解だからこうなった」わけではないことが腑に落ちます。環境次第で“良さ”がまるごと反転してしまう世界なんだと。 読みながら、自分の悩みにも似た感覚がありました。完璧じゃないことを責めるより、「その時々で意味があった結果の積み上げ」と考えるほうがしっくりくる。そう思わせてくれる本でした。自分の体や性質に“理由”を求めてしまう人に刺さると思います。
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