
絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)
更科 功
この本について
日々働いていると、「人間ってなんでこんなに不器用なんだろう」とか「自分だけ進化しきれてないのでは…」みたいな妙な不安がふと出てきませんか。周りと比べて落ち込む時ほど、そもそも“ヒトとは何者なのか”という根っこを知らないまま生きているんだな、と感じます。 この本は、人類が特別である理由を「能力が高いから」ではなく、「どんな環境でもなんとか生き延びる工夫をしてきたから」という視点で淡々と描いていきます。進化は“優れた方が残る”のではなく、“子どもをより残せた方が続く”だけ、という冷静な説明もあって、自分の悩みや欠点を少し遠くから見られるようになるんですよね。直立二足歩行がそもそも欠点だらけだったとか、アインシュタインの脳が小さかったとか、「完璧じゃなくても続いてきた」という事実がやけに沁みます。 個人的には、役に立たない模様を刻む象徴化行動の話や、共同で子育てしてきた歴史に触れるところで、人間の“弱さ込みの強さ”みたいなものが腑に落ちました。自分の不完全さを責めるより、「そんな状態でも生き延びてきた生き物なんだ」と思えるだけで、肩の力が抜けます。 自分のペースで生きたいけれど、つい「もっと頑張らなきゃ」と追い詰めてしまう人に静かに刺さる本です。
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