美の構成学 バウハウスからフラクタルまで (中公新書)

美の構成学 バウハウスからフラクタルまで (中公新書)

三井秀樹

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この本について

デザインや文章づくりをしていると、「なんとなくしっくりこないけど、理由が言語化できない」という場面がよくあります。配色が落ち着かないとか、構図が安定しないとか、手を動かしながら迷子になるあの感じです。自分の感覚の問題なのか、そもそも判断基準を知らないだけなのか分からず、手探りが続くことも多いと思います。 この本は、そうした“なんとなく”を丁寧にほどく一冊でした。黄金比だけでなく1:2や1:3といった素朴な比率がどう作用するのか、斜線がなぜ不安を生むのか、分割やプロポーションがどう視覚の重心をつくるのか。抽象的な美の話ではなく、実際にレイアウトや写真、造形に落とし込める視点が多いのがありがたいところです。材料やテクスチャの話まで踏み込んでいるので、「形・色・素材」がバラバラではなく、一つの文法として繋がっている感覚がつかめます。 自分のデザインがなぜ成立しているのか、あるいは成立していないのか。その理由を曖昧なセンスの話にせず、具体的に見直したい人には特に刺さると思います。美術教育の専門書というより、日常の制作に迷いが出たときに“いったん立ち止まるための地図”として手元に置きたくなる本でした。

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