
働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」
川添愛、花松あゆみ
この本について
仕事の場で、人と話しているはずなのに「相手が何を言いたいのか分からない」「自分の言っていることも正しく届いている気がしない」というモヤモヤ、けっこうあると思います。雑談では流れていく“ぼんやりした言葉”が、会議や報告になると急に重くのしかかる感じ。自分の理解力の問題なのか、相手の言葉の選び方なのか、その境目も曖昧なまま積み上がっていくあの疲れです。 この本は、その混乱を「意味」と「意図」のずれという視点で説明してくれます。たとえば、文の内容そのものと、発話者がその文で何をしたいのかは別物だ、という当たり前のようで見落としがちな話。さらに、人が“言葉を理解できる”とは何を満たしている状態なのかを丁寧に分解していくので、自分がどこでつまずいているのかが少し見やすくなります。AIの話も出てきますが、機械が苦手なことを知るほど、人間が普段どれだけ無自覚に高度なやり取りをしているかにも気づかされます。 読んでいて一番助かったのは、「ぼんやり理解することにも役割があるけれど、仕事では通用しない場面が確かにある」と言い切ってくれるところです。無理に“論理的に話せ”と背中を押すのではなく、論理が機能しない理由――感情や都合、思い込み――を人間側の事情として描いてくれるので、変に自分を責めずに済みます。 言葉の扱いが雑になってきたと感じる人、あるいはコミュニケーションの行き違いに疲れている人に、静かに効く本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
読書の順序
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