
なぜ闘う男は少年が好きなのか (ワニの本)
黒澤はゆま
ベストセラーズ / 2017-03-18
この本について
仕事でも人間関係でも、「こういう感情ってどこから来てるんだろう」と自分でも説明しにくいモヤモヤが続くことがあります。特に、人への強い好意や執着の理由を言語化できないと、どこか自分でも扱いづらいまま置いてしまうことが多い気がします。 この本を読んで印象に残るのは、哀帝が董賢を起こさないように袖を切った、あの静かな場面です。過剰なドラマでも美化でもなく、ただ「そういう気持ちが確かにあった」という事実が淡々と書かれている。読者が保存したのも、この落ち着いたトーンで歴史の中の“感情の形”が見える部分なんだと思います。自分の感情が唐突に湧いたものではなく、人類がずっと抱えてきた営みの延長にあると知ると、少しだけ自分を扱いやすくなるんですよね。 この本は、男色の歴史を面白おかしく紹介するだけの本ではなくて、感情の源流を古代まで遡って見せてくれるところが効きます。どうして男性が少年に惹かれるのかという問いを、現代の価値観だけで裁かず、文化・政治・宗教・制度といった背景込みで丁寧にほどいていく。そのおかげで、自分の中の説明しにくい感覚に対しても、少し距離を置いて眺める余裕が生まれます。 「自分の感情のルーツに、そろそろ名前を与えたい人」に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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