
本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP文芸文庫)
平野 啓一郎
PHP研究所 / 2006-08-01
この本について
読書って好きなはずなのに、読み終わったあとに内容がうまく掴めていなかったり、「もっとちゃんと味わえたはずなのに…」とモヤモヤすることがありませんか。特に、速く読めない自分にどこか後ろめたさを感じてしまう人は、心当たりがあるかもしれません。僕自身もずっとそのタイプで、ページを急ぐたびに、読書がただの作業みたいになっていく感覚がありました。 この本が面白いのは、「ゆっくり読む」ことを精神論ではなく、具体的な技術として扱っているところです。たとえば、接続詞、とくに「しかし」を丁寧に追うことで作者の主張が急に立ち上がってきたり、「誰かに話すつもりで読む」と理解の深さがまるで変わったりする。さらには、読書とは作者という他者との対話であり、誤読と意図の行き来にこそ醍醐味があるという視点も、この本を読まなければ得られませんでした。読後に世界がちょっと静かになって、頭の中に余白ができるあの感じは、忙しい日々にこそ必要なものだと思います。 特に、「速く読めない自分をどこか責めてしまう人」には刺さる本です。量より深さにシフトしていくと、一冊の向こう側にある十冊分、二十冊分の知の連鎖を感じられるようになるという話は、大げさではなく実感として理解できました。読書を自分のペースに引き戻したい人には、確かな手がかりになる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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