
決壊(上)(新潮文庫)
平野 啓一郎
新潮社 / 2011-06-01
この本について
人と向き合う時、自分でも気づきたくない利己心がちらついたり、相手を思いやるつもりが逆に暴力めいたものになってしまう瞬間ってありますよね。誰かを愛したいのに、どこまでが自己愛で、どこからが相手のためなのか分からなくなる。頭で考えるほど自分の動機が信じられなくなって、少ししんどくなるあの感じです。 『決壊(上)』は、そのモヤモヤを無理に晴らしてくれる本ではありません。ただ、逃げずに人間の複雑さを見つめていくとどうなるのかを、登場人物たちの細やかな心の動きとして“そのまま”見せてくれます。例えば、愛情が噛み砕けなくなって胸に異物のように残る瞬間とか、利他的に振る舞ったつもりが功利主義の罠に足をすくわれる感覚とか。読んでいるうちに、自分の中にも似たパターンがあることに気づいて、ちょっとだけ呼吸がしやすくなります。 特に効いたのは、「他者の他者性」を真正面から扱っているところです。相手が理解できなくても、それが自然であるという前提に立つと、人間関係の捉え方が少し変わるんですよね。無理に分かろうとしない余白というか、距離の置き方みたいなものが見えてきます。 人間の“きれいごとでは済まない部分”にうっすら疲れている人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要







